皆さんは、25年前にアメリカで起きた、世界に大きな衝撃を与えた悲惨な事件「アメリカ同時多発テロ事件」をご存じですか?

2001(平成13)年のこの日、「アメリカ同時多発テロ事件」が発生しました。
イスラム過激派テロ組織「アルカイダ」によって、ハイジャックされた4機の旅客機を使った4つの協調的なテロ攻撃でした。
4機のうち2機はニューヨークの世界貿易センタービルに、1機はワシントンD.Cの国防総省に激突。
世界貿易センタービルは崩壊し、国防総省も大きな被害を受けました。
残る1機は乗客らがハイジャック犯に抵抗した後、ペンシルベニア州に墜落しました。

一連のテロ攻撃による死者は、2,977人にのぼり、日本人24人も犠牲となりました。
また、ビルで働いていた人だけでなく、救助や消火活動にあたった消防士や警官など多くの尊い命が失われました。

事件から25年を迎えた今も、世界中の人々が犠牲者をしのび、平和への思いを新たにしています。
この事件は、発生日にちなみ、「9・11(9.11)」とも呼ばれています。

現在、世界貿易センタービルの跡地は「グラウンド・ゼロ」と呼ばれ、犠牲者を追悼する施設や博物館が整備されています。
私が2005年から2006年にかけてニューヨークに留学していた頃、世界貿易センタービルの跡地では、すでに再建に向けた準備が始まっていました。
9・11からまだ数年しか経っていない時期で、実際にその場所に立った瞬間、9・11で失われた多くの命のことを思い、言葉では言い表せないほどの衝撃を受けました。
写真やニュースで見るのとはまったく違う感覚で、胸が苦しくなるような思いでした。今でも、とても強く心に残っている体験です。

そこで、今回ご紹介したいのが、『倒壊する巨塔 アルカイダと「9.11」への道(上)(下)』(ローレンス・ライト/著、平賀 秀明/訳・白水社・2024)です。


本書はピューリッツァー賞を受賞したローレンス・ライトによる傑作ノンフィクションです。


アメリカ同時多発テロ事件は、一見すると突然起きた惨劇のように見えます。
しかし、その背後には、アルカイダが形成され、過激な思想を深めながら国際的なテロ組織へと変貌していった長い歴史がありました。
この本は、ビンラディンやザワヒリをはじめとする「アルカイダ」の指導者たちの軌跡を丹念に追い、その思想や行動、人間像を描き出しています。


さらに、さまざまな人物や出来事が複雑に絡み合いながら、物語が少しずつ9・11という惨劇へと収斂していく。
その展開には、まさに恐怖を覚えます。
アメリカ同時多発テロから25年を迎える今日、事件について改めて考えるための一冊として、ぜひ手に取っていただきたい本です。

あの日、世界貿易センタービルが倒壊した「その瞬間」だけを見るのではなく、なぜあの出来事が起こったのか。
その背景には何があったのか。
この本を通して、9・11という出来事を、また違った角度から考えることができるのではないでしょうか。

2026年
10月11日(日)
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