本日、9月10日は「バタイユの誕生日」です。
バタイユってなんだか美味しそうなお菓子の名前のようですが、バタイユはフランスの思想家であり知識人である「ジョルジュ・バタイユ」のことです。
「芸術は爆発だ。」で知られている芸術家岡本太郎とも交友がありました。
いや思想とか経済とか難しいからやめておこうって避けてしまう気持ち、よくわかります。
でもなんだか自分が無力に感じてもやもやして考えがぐるぐるしているときに是非読んでほしいのがバタイユのこの一冊です。

『呪われた部分 全般経済学試論・蕩尽』(ジョルジュ・バタイユ/著、酒井 健/訳・ちくま学芸文庫・2018)です。
内容としては、世界には太陽からのエネルギーがあふれていて有用(「なにかの役に立つこと」)だけでは消費しきれない。
その必ず失われる部分がでてしまう。
これがタイトルである「呪われた部分」です。
しかし「なにかの役に立つこと」ばかりに目を向けすぎた近代や現代の世界では蕩尽(とうじん:「なんにも役に立たないことでエネルギーを消費」)することが少なくて、たくさん貯まったエネルギーは一番エネルギーを消費する戦争という人間にとって最悪の選択でしか発散することができない。
そうならないために「なんにも役にたたないこと」をするということに目を向けませんかということと、その実例などがあげられています。

今の日本では生産や効率化、タイパにコスパといったことが大切にされています。
つい足りないものばかりであれもこれもこうしたいといった必要に応じたもの以上に役にたつだろうという有用さを求めているのかもしれません。
利潤なく失う、有用性(生産、蓄積、生存維持)に従属させず、無償で消費や破壊すること、今この時間を、あとで何かの役に立つこともなく、それがだれかの評価にも影響しないことをする。
このことが戦争という消費の方法を選択しなくて済むのじゃないかなと考えさせてくれます。

ここまで読み進めると逆に役に立たないということのほうが面倒で大変そうです。
くしくも9月10日は「世界自殺予防デー」、世界にはエネルギーがあふれています。
だれであろうとも、たとえ自分は役立たずだと生きていても仕方がないと感じても、だれでもが生きているだけで世界のあふれるエネルギーを消費してくれている存在です。
有用でなくてもいい、効率的でなくていい、生きていく必要を満たした上であふれたエネルギーをなんにも役にたたないことに使う。
「こんな役にたたないことをして!」これは最上の誉め言葉なのかもしれません。
というか逆に役に立たないことをみつける方が大変なんじゃなかろうかと思わせてくれるこの一冊、ぜひ前説だけでもいいので読みかじってみてはいかがでしょうか?
配架はぶんか-000-015です。


【出典】『岡本太郎がかつて「巨大な影響」を受けた「フランス人の名前」と「その思想」をご存知ですか?』https://gendai.media/articles/-/137090 (講談社ホームページ・群像編集部)(最終確認日:2026年9月9日)

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