本日、8月2日は「おやつの日」です。
日本のおやつの魅力と文化を広め、多くの人と笑顔あふれるおやつの時間を共有したいという想いで、「おや(8)つ(2)」の語呂合わせから、8月2日に一般社団法人・日本おやつ協会が制定しました。
「おやつ」、なんて素敵な響きでしょう。
日本の時刻が現在の西洋式のグリニッジ標準時が採用される前は日の出と日の入りを基準にした不定時法の時間でした。
現在の午後2時、午後3時くらいの八(や)つの時に軽食を食べることから、「おやつ」となりました。
ここ南関町にも「黒棒」や南関そうめんのふしを使った「あれかけ(甘く煮た小豆をふしと和えたもの)」など郷土のおやつがあります。
私個人としては、祖母の作ってくれた黒糖入りの「じりやきだご(小麦粉に水と重曹を入れ焼いたもの)」が子どもの頃から大好きなおやつです。
九州は砂糖とは縁が切れない土地です。
薩摩藩の財源となる黒糖政策、長崎から小倉まで続く輸入砂糖のシュガーロードは様々な影響を与えました。
奄美島唄の「徳之島節」などに歌われる当時薩摩藩への年貢として砂糖に苦しめられた人々の想いは現在までも旋律にのることで受け継がれています。
またポルトガル、スペイン、オランダから伝来した南蛮菓子や和蘭陀菓子は日本の菓子へ多大なる影響を与え、「カステラ」に「ぼうろ」、「あるへいと」、「こんへいと」、「かるめら」などが文献に残され、当時の菓子職人たちは日本にある材料で代用したり、もっと美味しく贅をこらしたりと腕を競い合ったことがわかります。
砂糖、菓子、おやつは発展を遂げ、今では全国津々浦々、様々なお菓子があり、コンビニで手軽に買えるスイーツもあります。
きっと皆さまには皆さまのお好きなおやつがあることでしょう。
さて今回は人情に厚い江戸を舞台にしたお菓子屋の時代小説をご紹介いたします。

『まるまるの毬(いが)』 (西條 奈加/著・講談社文庫・2017)です。
全国津々浦々を旅したお菓子職人治兵衛(じへえ)と娘お永、孫のお君が日替わりで様々なお菓子を販売してくれる「南星屋(なんぼしや)」。
そんなご近所にあったら通いつめたくなるような菓子屋が持つ秘密とは一体なんでしょう。
2015年第36回吉川英治文学新人賞を受賞した作品です。
登場するお菓子が大変美味しそうに描写されており、甘味がお好きな方には手元にお好きなおやつを置いてお読みすることをおすすめいたします。
読み進めればわかりますが、はっと驚き、いつの間にか読者も菓子屋「南星屋」の通いの常連になった気持ちで親子3代の家族や仲間たちを応援している気持ちになる人情ものです。
ちょっぴりの涙がおやつを引き立てて、どうなるんだと心を騒がせ茶を啜り、ほっとしたら小腹がすいて、あぁよかったこれからもよろしくお願いします、ごちそうさまでした、と思える一冊です。
ことば-000-050に配架されており、大活字本シリーズはむすび-L03-003に配架されています。
【参考】
「落語で発見!お江戸の科学」学研科学創造研究所ホームページ https://www.gakken.jp/kagakusouken/spread/oedo.html(最終確認日:2026年8月1日)
「南関そうめん」農林水産省ホームページにっぽん伝統食図鑑 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/nankan-soumen.html(最終確認日:2026年8月1日)
シュガーロード連絡協議会ホームページ https://sugar-road.net/(最終確認日:8月1日)


