8月12日は、「君が代」が祝日唱歌に制定された日です。
1893(明治26)年のこの日、「君が代」を含む8曲が、小学校で祝日にうたう唱歌として定められ、当時の学校行事で歌われることによって、全国民へ広く浸透していく契機となった日です。


私の小中高時代、国歌と思って歌っているつもり(いや、意識もしてなかった)が、正式に国歌となったのが、私が39歳のとき。
とすると、学生時代の呼びかけは、“国歌斉唱!”ではなく、“君が代斉唱!”だったことになります。
そんなことに頓着することなく意味も良く分からず歌い続けてきたからかでしょうか。
32文字という非常に短い文章と独特な曲調のこの歌をオリンピックや各種国際スポーツ試合で聞くたびに、式典で歌うたびに、私の中にある日本人としてのアイデンティティーに気づかされます。


皆さんにとっての「君が代」はどのようなものでしょうか。
日の丸と君が代に対する思いはどうですか。
様々な意見がありますね。
そういう議論とは距離をおいていたわたしですが、この本を読んで、「君が代」の実像・実体を初めて知ることができて新鮮でしたし、「君が代」っていろいろあって面白いと感じました。
今回ご紹介する、この本とは、『ふしぎな君が代』(辻田 真佐憲/著・幻冬舎新書・2015)です。

 

「君が代」は議論の絶えない歌である。そもそも、その誕生から曖昧だ。明治早々、英国王子の来日で急遽、国歌が必要になる。しかし、時間がないため、『古今和歌集』の読み人しらずの短歌に鹿児島で愛唱されていた「蓬莱山」の節をつけて間に合わせたのが「君が代」だったといわれる。以降、1999年に「国旗国歌法」で法的に国歌と認められるまで、ライバルの国歌候補が現れたり、戦時下には「暗すぎる」、戦後には「民主国家にふさわしくない」等、常に批判にさらされたりと波乱の歴史が続く。教育現場での「君が代」斉唱の議論もある。日本人にとって「君が代」とは何か?曖昧な誕生から生き長らえた不滅の歌の真実。気鋭の若手研究者がその歴史をスリリングに紐解く。(裏表紙より)



この文章を読んでみただけでも興味が湧きませんか。
平易で読みやすく、視点が面白いですから、どんどん読み進められます。
是非手に取っていただきたい、おすすめの本です。
君が代記念日は、こうした長い歴史の積み重ねを振り返り、国歌がどのように社会結びつき、意味づけを変えてきたのかを考える機会です。
祝福の歌としての起源、武家や庶民文化への浸透、近代国家の象徴としての役割、そして戦後の議論まで——君が代は常に時代とともにありました。
その歴史を知ることは、国歌をめぐる多様な価値観を理解し、文化としての厚みを再確認することにつながるのではないでしょうか。

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