毎年8月10日は「世界ライオンの日(World Lion Day)」です。
絶滅の危機にあるライオンの現状を広く知ってもらい、その保護への関心を高めることを目的とした国際的な記念日です。
この記念日は、2013年にAfrican Parksが制定しました。
同団体は南アフリカ・ヨハネスブルグに本部を置き、アフリカ各地で野生動物や自然環境の保全活動に取り組んでいます。
ライオンは食物連鎖の頂点に立つ動物として知られていますが、生息地の減少や密猟、人間との軋轢などにより、野生の個体数は減少を続けています。
そのため、世界ライオンの日には、ライオンが直面する課題を多くの人に知ってもらい、保護活動への理解と支援を呼びかけるさまざまな啓発活動が世界各地で行われています。
百獣の王と呼ばれるライオンは、その強さや勇ましさの象徴です。
しかし、本日ご紹介する本、『檻の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし』 (楾 大樹/著・かもがわ出版・2016) に登場するライオンは、動物ではなく「国家権力」を表し、檻は、「憲法」を表しています。

憲法や政治と聞くと難しくて、どこか自分とは遠い世界の出来事のように感じてしまうかもしれません。
しかしこの本では、暴走する可能性を秘めたライオン(国家権力)と、それをコントロールして私たちの人権を守るために「檻(憲法)」というユニークな比喩を使い、その本質を大変分かりやすく解き明かしています。
私たちは日々、大切な家族とごはんを食べ、好きな仕事をし、安心して眠ることができる「平和な毎日」。
これは決して当たり前にある空気のようなものではなく、この「檻」がしっかりと機能しているからこそ保たれている奇跡的なバランスなのです。
ひとたび「檻」が壊れ、「ライオン」が制御不能になれば、人々の平穏な日常や尊い命は一瞬で奪い去られてしまいます。
だからこそ、権力を憲法という「檻」の中に置くことが、安心して暮らせる社会につながるのです。
8月は、戦争の記憶と平和の尊さを見つめ直す季節でもあります。
平和は、願うだけで実現するものではなく、一人ひとりの権利が尊重され、権力が憲法に基づいて適切に行使される社会の中で育まれていきます。
この本は、一コマごとにイラストと物語で構成されており、漢字にはふりがなが付いているため、小学校高学年の子どもでも理解しやすい内容になっています。
社会の仕組みや憲法について初めて学ぶ人にもわかりやすく、大人から子どもまで幅広い世代におすすめの一冊です。
8月10日の「ライオンの日」をきっかけに、ライオンの強さだけでなく、その力を適切に生かすために必要な「檻」の意味にも目を向けてみませんか。
私たちの社会を支える憲法の役割について、この本を通して考えるきっかけになればうれしいです。


