みなさんは新しく環境が変わるとき、不安と期待が入り混じった気持ちになった経験はありませんか?
そんな「はじめの一歩」をやさしく描いた作品が、『魔女の宅急便』です。
今日7月29日は、魔女の宅急便の公開日です。
この映画は、多くの人に愛され続ける児童文学作家・角野栄子の原作小説『魔女の宅急便』をもとに制作されました。
今日は映画公開記念にあわせ、あらためて原作小説『魔女の宅急便』の魅力をご紹介します。

『魔女の宅急便』(角野栄子/著、林明子/画・福音館書店・1985)


物語の主人公は13歳の魔女の少女キキ。
魔女の世界では、一人前になるために13歳になると親元を離れ、知らない町で一年間暮らすという習わしがあります。
キキは相棒の黒猫ジジとともに海辺の町へ旅立ち、自分の飛行能力を生かした「宅急便」の仕事を始めます。
ミスをしておちこんだりしながらも元気に生きるキキは荷物を運びながら大事なことを発見していきます。
相棒の黒猫ジジと喜び悲しみを共にしながら、町の人たちに受け入れられるようになるまでの1年を描いた物語です。


この物語の最大の魅力は、壮大な冒険や魔法の戦いではなく、見知らぬ土地で暮らしながら少しずつ自立していく少女の成長を丁寧に描いている点にあります。
キキは仕事で失敗したり、人間関係に悩んだり、自分の力に自信を失ったりしながらも、多くの人との出会いを通じて前へ進んでいきます。
その姿は、進学や就職、引っ越しなど、新しい環境へ踏み出す誰もが共感できます。
また、続編を含めたシリーズ作品では、キキが成長し、大人になるまでの過程が描かれており、映画のその後、キキがどのようにして一人前の魔女になっていくのか知ることができます。

また、今月7月から全国のTOHOシネマズにて、スタジオジブリが監修した最高画質の4Kデジタルリマスターとして、「魔女の宅急便」が再上映されることになりました。
この機会にぜひみられてはいかがでしょうか。

『魔女の宅急便』は、魔法の物語でありながら、特別な力よりも「自分らしく生きること」の大切さを教えてくれる作品です。初めて読む子どもたちには勇気と希望を、大人にはかつて新しい世界へ飛び込んだ頃の気持ちを思い出させてくれるでしょう。映画を知っている人も、まだ原作を読んだことがない人も、7月29日の公開記念日にぜひ手に取ってみてください。

【参考】
『スタジオジブリ全作品集』(講談社∥編集、スタジオジブリ∥監修ほか・講談社・2024)

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