春の澄んだ空を見上げると、その先に広がる果てしない宇宙へと想像が広がります。
遠くへ思いを巡らせるのにぴったりな4月12日は、国連が制定した国際デーである「世界宇宙旅行の日」です。
1961年のこの日に、世界初の有人宇宙衛星船・ヴォストーク1号が打ち上げられたことを記念して制定されました。
搭乗したユーリイ・ガガーリン少佐が、地球への帰還後に宇宙から地球を見た時の感想を「地球は青かった」と表現したことは有名ですね。

概要としては、持続可能な開発の目標を達成し、国家と人々の幸福を増進し、平和目的のために宇宙を維持することを目的として、2011年4月の国連総会で記念日とすることが採択されました。
この日をきっかけに、遠い宇宙をテーマとした本に触れることで、私たちの日常も少し違って見えてくるかもしれません。

今回ご紹介するのは、絵本「にじゅうおくこうねんのこどく」です。
詩人・谷川俊太郎氏の初作品に、絵本「やきざかなののろい」等で人気の絵本作家・塚本やすし氏が絵を付けた絵本です。
どこか客観的に人類の寂しさや繋がりを表現した詩に加え、ダイナミックかつユーモアのある絵で表現された世界観を楽しめる作品です。
この本を選んだ理由は、「世界宇宙旅行の日」にふさわしく、宇宙の広さとともに、自分自身の内面へと意識を向けるきっかけを与えてくれるからです。
4月は出会いと別れのシーズンであり、新しい目標のためにひた走る仕事や学校、地域の行事などで忙しい現実をいったん離れて、自分自身について深く考える時間をもつのにぴったりな1冊です。

 

私が最初に、この詩を読んだのは中学生のときでした。
買い物に行っている母を待っている間に、本屋さんで何気なく読んでいた本の中で出会ったことを覚えています。
初めて読んだとき、宇宙の中で、孤独の中で烏滸がましくも誰かと繋がりたいと思いながら生きていくことをそっと肯定されたような感覚がありました。
学生時代は人間関係について考えることが多かったので、詩の中の言葉を独自で解釈して新しい気づきを得ることができました。

大人になった今でも、絵本「にじゅうおくこうねんのこどく」をたまに借りることがあります。
普段の生活では、目の前のことに追われがちですが、たまにこの本に触れることで、自分の内面を客観的に見つめなおすことができます。
宇宙の広がりをテーマにした作品で、かえって自分の内面に気づく――そんな不思議な体験をもたらしてくれる作品です。

4月12日の「世界宇宙旅行の日」に、絵本「にじゅうおくねんのこどく」を手に取り、宇宙の広がりと自分の心の中に思いをめぐらせてみてはいかがでしょうか。
静かな言葉とユーモアあふれる絵の中に、新しいひらめきや自分自身と向き合うひとときが生まれるはずです。

2026年
10月11日(日)
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