4月10日は、「映画の伝道師」として多くの人に親しまれた淀川長治の誕生日です。
彼の名前を聞いて、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」という名調子を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
淀川は、日本に映画の魅力を広く伝えた立役者であり、今日ご紹介する本の帯に書かれたコピーの通り、「俳優でもなく監督でもないが、この人なくして映画は語れない」存在でした。

映画会社の宣伝員、雑誌編集者、批評家など、いくつもの顔をもつ彼の膨大な資料を幅広く収集・分析し、映画人・淀川長治の思想・仕事・人生を描きあげているのが、『淀川長治 「映画の伝道師」と日本のモダン』(北村洋/著・名古屋大学出版会・2024)です。

1909年に兵庫県で生まれた淀川は、幼い頃から映画に魅了されていました。
まだ映画が現在のように一般的な娯楽ではなかった時代に、彼はスクリーンを通して広がる異国の世界に心を奪われます。
その体験が、やがて「映画の素晴らしさを多くの人に伝えたい」という強い思いへとつながっていきました。
淀川の名を一躍有名にしたのが、テレビ番組『日曜洋画劇場』での解説です。
作品の背景や見どころを丁寧に語り、視聴者がより深く映画を楽しめるよう導きました。
その語りは難しい専門用語に頼るのではなく、誰にでもわかりやすく親しみやすいものでした。
映画を「特別なもの」ではなく、「誰もが楽しめる身近な文化」として届けた点に、淀川の大きな功績があります。

 

そして、当館の所蔵の中で映画について触れるとき、併せてご紹介したいのが『キネマ旬報』のコレクションです。



『キネマ旬報』は1919年(大正8年)の創刊以来、現在まで刊行が続く国内屈指の映画雑誌です。
南関町図書館〈このみch-i〉では、そのうち1921年(大正10年)から2005年(平成17年)までに発行された、ほぼすべての号を所蔵しています。
これは国内でもきわめて貴重なコレクションです。
この貴重な資料を広く皆さんに知っていただくため、当館では〈このみch-i〉キネマと題した月1回の映画上映会(無料!)を開催しています。
(開催情報は『道しるべNEWS』(http://conomich-i.ukara-nankan.jp/index.php/column-news)でお知らせしています。

 

淀川長治が映画の魅力を誰にでもわかりやすく伝え続けたその姿は、まさに「映画の伝道師」と呼ぶにふさわしいものでした。また、当館が所蔵する『キネマ旬報』のコレクションとあわせてご覧いただくことで、当時の映画文化や社会の空気をより深く感じていただけることでしょう。
ぜひこの機会に、本書とともに映画の世界に触れてみてください。

 

 

2026年
10月10日(土)
Weather
開館時間:10:00~19:30
月曜日休館