毎年10月1日は、全日本印章業協会が制定した印章の日です。
1873年明治6年のこの日、太政官布告によって「公式の書類には実印を押すこと」と定められたことに由来しています。
実印の登録制度が始まってから150年以上の歴史がある日本の印章(印鑑)は、日本の文化や歴史を語るうえで欠かせない存在です。

私たちは契約書や銀行の手続き、役所への届け出など、様々な場面で印鑑を使ってきました。
一本の印章には、私はこの内容を認めますという意思と責任が込められています。
デジタル化が進み、電子署名やオンライン申請が増えた今でも、その信頼を形にするという本質は変わりません。

印章の歴史は古く、日本では、奈良時代にはすでに公的な文書に用いられていました。
日本最古の印章として知られるのが、57年に中国(後漢)の皇帝から倭の国王に授けられた金印ですね。
日本と中国の交流を示す貴重な歴史資料です。
また、法律や政令の公布文、条約の批准書、大使の信任状などの重要な公文書に押印される、歴代の天皇が用いる御璽(ぎょじ)は、権威や信用の象徴でもあり、皇位継承の際には三種の神器とともに受け継がれる極めて重要な印章です。
ちなみに、御璽は純金製、約9cm角の角印で重さが約3.55kgあります。

印章に刻印される名字には、歴史的地形的要因によって、東日本に「佐藤・鈴木」が多く、西日本には「田中・山本」が多いというように、非常に強い地域性が見られます。
九州も宮崎県の「黒木」、福岡県の「古賀」、沖縄県は全く独特ですよね。
文具店やスーパーの店頭販売されている印章(三文判)もそれに応じた広域地域版となっています。
一つの什器に3,500種ほど収納されていますが、それでも自分の姓が見つからないという経験をされている方は多いと思います。ちなみに、南関町で多い姓は、順に猿渡、福山、北原です。なるほど実感ですね。

店頭販売の三文判は、機械で彫る安価なものですが、それとは別に、印鑑彫刻技能士(国家資格保有者)や熟練の伝統工芸士が、印影のデザインから彫刻までを一貫して手がける完全手彫りの印鑑があります。
職人が印刀を用いて直接文字を彫り進めるため、世界に一つだけの偽造されにくい印鑑が仕上がります。
印章は使用目的に合うように、会社印、角印、丸印、実印、銀行印、認印があり、印材、サイズ、字体も豊富にありますので、販売店に相談すれば、手軽に、正に自分好みの自分の分身を作ることができます。

他に書道や日本画などの作品が完成した際に押す、落款があります。
姓名印、雅雅号印、印首印、遊印があり、作品を一つのまとまりとして完成させる重要な工程です。
また、最近人気の印章と言えば、御朱印ですね。御朱印帳を持って寺社めぐりを楽しまれている方も多いでしょう。

印鑑に関する蔵書はございましたが、あまりに専門過ぎて紹介するのをはばかりました。
興味のあられる方は、図書館窓口でお尋ねください。

そこで、今回ご紹介するのが、この2冊のガイド本です。


▶『御朱印でめぐる九州の神社 週末開運さんぽ 集めるごとに運気アップ!』(『地球の歩き方』編集室/編集・地球の歩き方、Gakken(発売)・2022)

御朱印に関するマナーから素朴な疑問。
保管場所、御朱印帳を忘れたときのことまで、ベテラン編集部員が答えてくれます。
週末の旅行を計画するのにちょうどいい九州内の神社を紹介していて、御朱印帳デビューの方にもおすすめです。
この本では紹介されていませんが、地元南関町の大津山阿蘇神社でも御朱印がいただけますよ。


▶『親子でめぐる!御城印さんぽ 見方を知れば100倍面白くなる!』(今泉 慎一/編、おもしろ城郭史研究会/編・青春出版社・2020) 

御朱印のように、お城を訪れると記念にもらえる御城印があるらしく、今では全国300以上のお城で発行されているとのこと。
その魅力を余すことなくまとめてある本。旅行のポイントに加えたら面白いかも。

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